熱中症からの孤独死

FP

20年からの付き合いのある方が

気候変動からなのか?
地球が生きている証拠なのか?
詳しいことは分かりませんが
現実として日本の夏の気温が
これまでに経験をしたことのない高温となっています

巷では「熱中症」というワードが連呼されておりますが
昔は「日射病」とか「熱射病」と言われておりまして
確かに昔から存在していたモノ
しかし、ここまで連呼されてはいませんでしたし
患者さんもこれほど多くはなかったのでしょう
一説によると「猛暑日は50年前の2倍以上である」と言われていますし
兎にも角にも注意をしたい熱中症

そんな中、老人の「孤独死」というモノも話題に
コロナ禍でもあり熱中症対策にも気を配らなければならないわけで
一人暮らしの老人の方には気を配る必要があるのでしょう

と、思っていました
せめて自分の周りや知り合いには気を配っていたいと
そんな風に思っていましたが
ちょっと離れたところに
20年からの知り合いの一人暮らしの老人がおりまして
そこそこに気を配っていたつもりでした

気配りは難しい

その一人暮らしの老人との関係性ですが
10数年前まではお客さまでありました
が、金銭的なやり取りがなくなっても
10年以上「知り合い」という付き合い
年に1~2回はお邪魔し一緒にお酒を飲んでいました

電話は2~3ヶ月に1回程度
気がつくと電話をさせて貰っていて
最近は「安否確認だよ」と減らず口を叩いていました

2021年の12月にやはりお会いし軽くお酒を飲ませて貰いましたが
80歳を超えており見た目にも弱っている印象を与えるお姿
今年に入ってからは1~2ヶ月に1回くらいの割合で電話を入れていました

「携帯電話を持って」と何度も言ったのですが
なかなか持ってもらえず
親戚でもない他人の私がそれ以上のことは言えず
電話をするたびに「携帯電話を持って」とお願いをするのみ

「散歩に出てもし倒れても携帯電話があれば助けをスグに呼べるから」
と、言っても
「近所にしか出ないから平気」
だとか
「持ったところで操作がわからん」
と、拒否するのみ

やはり無理やり持たすことは出来ないわけで
今となっては「できる限りのことはした」と自分に言い聞かせるのみ

異変は突然ヤッて来る

6月に入ってこれまで通りの電話を入れたのですが出ず
出ないことはこれまでにもありましたが
翌日には電話が掛かってくることが多かったのです
しかし、今回は電話が掛かってきませんでした

「あれ?おかしいな???」
と、思っていたのですが
その時はそれ以上の行動をせず
必ず留守電に入れるわけでもないので
私が留守電に入れなかったのかも?とも思っていました

そして7月に入って
「そう言えば、電話が無かった」
と、のんびりと思い出し
電話を入れたのですが、今回も出ず

この辺りで変な胸騒ぎが起きてきました
嫌な予感と言いますか、異変を感じ出したのです

翌日にも電話を入れて留守電に入れました
しかし、翌日にも電話がきませんでした
そこからは連日電話を入れて留守電も入れたのですが
留守電の機能がいっぱいとなったのか?
2~3日で留守電に切り替わらなくなりました

取るべき行動と取れる行動

嫌な予感と胸騒ぎとともに1週間が経過し
「これはなんかマズい気がする
しかし、入院しているということも考えられる」
と、どんな行動を取るべきか考えました

「何かあったときにスグにオレのところに連絡が入るようにしておいて」
と、頼んではいましたが
メモか何かに残していたかどうかも知らず
飲んでいるときの会話の中で
生い立ちやらご家族のことなどは
やんわりとは聞いていましたが詳しくは分からずでしす
深く突っ込んで聞くことも出来ず

連絡を入れるところがさっぱり分からず
ヤッていたのは連日電話をいれることだけ

そして8月に入ってしまい
とりあえず警察に相談
一人暮らしの老人の方が住んでいる所轄の警察署に電話

丁寧な対応をして下さいましたが
「結論から言いますと、警察は何も出来ません
親戚の方の依頼でないと警察は動けませんし
鍵を壊して中に入ることも出来ません」
とのことでした

そりゃそうですよね
私の正体が警察の方に分かるわけもなく
突然掛かってきた電話にすべて対応をしていたら
警察の仕事が半端なく多くなってしまう

しかも「親戚ではなく、知り合いである」と言っているし
知り合いの範囲など広過ぎて
警察の方に動いてもらったことによって
私が何らかの犯罪者ならば
犯罪者に手を貸すことになる

正直、巡回されるときに
立ち寄ってもらって安否確認だけでもして貰えれば
それだけも良かったのですが
それすらも出来ないということでしたので
諦めて電話を切ることに

自ら出向くか?

遠く離れたところで
安否の気遣っていても
何も始まらない

離れていると言っても
電車を使って片道だいたい2時間程度
心配しているくらいなら
行ってしまえと思ったのですが
「入院しているとなれば行くだけ無駄」
という結論に

7月のときでも
こんな事が頭をよぎったのですが
入院で1ヶ月以上となると
「ちょっと洒落にならない状態なのか?」
とも思ったりしていました

まさか、まさかの展開が待っているとは
若干は心の準備をしていましたが
不思議なものでどうしても最悪の展開を否定したい気持ちが勝り
何事にも躊躇してしまうことに

そして、警察の方に断られ今度は市役所へ連絡を入れました
こちらの持っている情報は何もなく
「ただ安否確認を」と言ったところで
私のことなど知らないわけで
得体の知れないヤツなのですから相手にもされないということを
警察署への連絡で学んでいますので
とにかく「安否の確認を」だけの連呼

ただ、ここでもだいたいのやり取りは警察と一緒
基本的に得体の知れないヤツの相手は出来ない
これは当然のことでしょうが
「安否の確認だけを」としつこく連呼

すると折れてくれたのか
「こちらで調べますが、あなたへの連絡は個人情報の観点から出来ませんがよろしいですか?」
と、歩み寄ってくれました

「それでも良いのでお願いします
で、もし、本人と連絡が取れたら
『心配していたから連絡を入れてやって』
と、伝えてもらえませんか?」
と懇願すると
「それはできると思います」と

灯台下暗し

市役所の方が関係各所に連絡を入れて動いてくれたかどうか?
その辺りは分かりません
動いてくれたことを信じるのみ

仮に自分を満足させるために
自宅に出向いたところで
家の鍵があるわけでもなく何も出来ずですから
毎日せっせと電話に出てくれるの待つのみで
連日電話だけを入れていました

「もう、これ以上のことは何も出来ないのか?」
と市役所への電話を入れて1週間ほど経過したとき
一人暮らしの老人との会話の内容を思い出しました

「下の店の息子に良くしてもらっているんだよ」と
一人暮らしの老人の方が住むマンションの1階に店舗が入っており
そのお店の息子さんが良くしてくれているということを思い出したのです
「もしかしたら知っているかも?」
と、そのお店をグーグル検索

便利な世の中で
お店の名前は知りませんでしたが
グーグルマップで住所から店舗の看板を確認し
住所と業種と店舗名でグーグル検索

一発でグーグル先生は教えてくれました!
丁寧に電話番号まで出ており
返す刀で何も考えずに電話

会話の内容・詳細は控えさせて貰いますが
結論は「3週間ほど前かな?1ヶ月くらい経ったかな?
熱中症で亡くなりました」

マンション総出で騒ぎとなり
最後はベランダから消防が窓ガラスを割って部屋へ入ったと

胸騒ぎは本当にある!?

正確な日付は分かりませんが
私が亡くなったことを知ってから3週間から1ヶ月前を考えると
7月に電話を入れた前後
騒ぎがあった直後だったのかも知れません

そう考えると
警察だって役所だって
一人暮らしの老人の名前も住所も電話番号だって伝えているのだから
ちょっと調べれば分かったんじゃないの?
とは思うのですが、それは仕方のないこと
私が得体の知れないヤツなのですから
伝えてしまうリスクを考慮すれば
何もせずに・何もしないことが正解なんでしょう

6月の時の電話で再度電話をしていても
結論は変わりないでしょう
ですが、7月の電話のときというのは
事故があったときの前後でしたから
何とかなった可能性も無きにしもあらず

携帯電話を持っていれば
スグに救急車を呼ぶことも出来たかもしれないし
命まで落とさずに済んでいたかも知れない

電話を入れなくとも
LINEでやり取りも出来たかもしれないし
後悔先に立たずとは言いますが
無理にでも持たせていた方が良かったのかも知れないと後悔

一人暮らしの老人の方にとって
どっちが良かったのかは分かりません
自分勝手ではありますが、私にとって良かったと言うだけかも知れません

もし、あなたの周りや知り合いに一人暮らしの老人がいらっしゃったら
後悔しないように接して下さい
その方のためでもありますが、自分がその後に背負う必要のない後悔を回避するためにも

コメント

タイトルとURLをコピーしました